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表面はどう帯電するか

このページは、粒子が三角形表面へ到達した後、その電荷をどこに保持するかを説明します。 BEACH は batch 中に生じた電荷差分を一度だけ確定反映し、選択した surface_model で次の batch の 表面電荷を決めます。

通常の選択: 絶縁体の局所的な帯電を調べる場合は surface_model="insulator" を使います。 浮遊導体を等電位化する場合にだけ conductor を選びます。

読了後には、二つの実装済みモデルの違いと、結果に含まれない材料効果を判断できます。

flowchart LR
field["現在の表面電荷から場を計算"]
particles["固定した場で粒子を追跡"]
delta["吸収・放出の電荷差分を集める"]
surface["表面モデルを適用"]
next["次の batch の表面電荷"]
field --> particles --> delta --> surface --> next --> field

同じ batch の後続粒子は、その batch で先に吸収された粒子の電荷を見ません。電荷差分は batch 末尾に 確定し、新しい場へ現れるのは次の batch です。この遅れへの感度は run.batch.duration_s をどう決めるかで確認します。

絶縁体は命中要素に負電荷を残し、浮遊導体は同じ物体の総電荷を保ちながら等電位へ再配分する比較図。

絶縁体は命中位置を保持し、浮遊導体は物体の総電荷を保って等電位化します。

surface_modelbatch 末尾の処理適した対象主な制約
insulator命中した要素に電荷を保持する局所的な絶縁体帯電表面伝導・bulk 漏洩を解かない
conductormesh_id ごとに総電荷を保ち、要素電荷を等電位になるよう再配分する自由空間または周期セル内の浮遊導体表面伝導の時間応答を解かず、接地電位は与えられない

dielectric は実装されていません。surface_model="dielectric" と epsilon_r は入力エラーになり、 insulator の別名としても扱いません。

insulator は、吸収されたマクロ粒子の電荷を命中した三角形要素へ加え、他の要素へ再配分しません。 電子は負、正イオンは正の電荷を残します。表面から粒子を放出する source は、放出粒子と逆符号の 反作用電荷を放出元へ残します。

このモデルが表すのは、離散化した表面上の電荷蓄積です。次の効果は含みません。

  • 表面内の横方向伝導、有限抵抗による relaxation、bulk への漏洩
  • 誘電率境界条件、分極電荷、物体内部の電場
  • 材質ごとの二次電子応答、specular / diffuse な粒子反射

これらが時間発展を支配する対象では、insulator の結果を実在材料の長時間応答と読み替えないでください。

吸収時に 二次電子を生成できます。反作用電荷は PE と同じ表面放出チャネルへ置きます。

浮遊導体: 総電荷を保って等電位化する

Section titled “浮遊導体: 総電荷を保って等電位化する”

conductor は、同じ mesh_id の要素を一つの浮遊導体として扱います。粒子の電荷を反映した後、物体の 総電荷を保ちながら、要素重心の電位が等しくなるよう電荷を再配分します。grounded な固定電位境界ではありません。

等電位条件はその batch の場 snapshot の電位で立てるので、free-space と periodic2 (周期 image と zero mode を含む) のどちらでも使えます。外部シース closure と併用した場合、closure が決める z-high 面の電位基準は定数のずれとして 導体電位に入るだけで、再配分には影響しません。研究利用では、メッシュ細分化に対する物体電位と表面電荷分布の 収束を確認してください。

連立方程式、P0 panel influence、並列集約、保存量は 表面電荷更新の数値仕様に分離しています。

粒子種の電荷の閉じ方(charging.closure)は表面モデルではありません。表面に置く電荷の量を目標に合わせるだけで、 置いた電荷を表面に沿って動かしません(光電子の放出と電荷の閉じ方)。

charges.csv の charge_C は各三角形の総電荷 [C] です。表面電荷密度が必要なら要素面積で割ります。 output.diagnostics.charge_rel_change_threshold は batch 前後の変化を監視する出力であり、現行実装の自動停止条件ではありません。

species ごとの吸収・放出・escape を含む保存則は出力ファイルを調べる、式と実装上の 更新順は表面電荷更新の数値仕様で確認できます。