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プラズマ中の周期表面を設定する

月面のレゴリスのように、太陽風と紫外線にさらされる表面の一部を、x/y 周期のセル 1 つで表すケースの作り方です。 セルの高さは Debye 長よりはるかに小さいので、上端面(z-high 面)の外にあるプラズマとシースをどう扱うかを 決める必要があります。このページでは上端の閉じ方を 4 つの方式から選び、方式ごとの設定の差分と、 実行後に確認する出力を示します。

外部シースと整合した帯電を求めるなら、外部シースとの接続(Zhao 定常シース)を使います。 表面内での電荷の再分配だけを比べるなら、閉じた光電子が最も単純です。

どの方式も、次の構成から始めます。完全な設定は examples/closed_photoelectron.toml です。

[domain]
box_min = [0.0, 0.0, 0.0]
box_max = [1.0e-4, 1.0e-4, 1.0e-3]
periodic_axes = ["x", "y"]
[fields]
boundary = "periodic2"
[fields.solver]
method = "fmm"
[particles.boundary]
z_low = "open"
z_high = "open"
[[particles.species]] # 太陽風電子(イオンも同じ形)
species_key = "solar_wind_electron"
[particles.species.inflow]
z_high = "reservoir"
[[particles.species]] # 光電子
species_key = "photoelectron"
[particles.species.source]
mode = "photo_raycast"
inject_face = "z_high"
deposit_opposite_charge_on_emit = true
方式上端面で起きること表面の総電荷電位の基準使う場面
1. 開放上端に達した粒子はすべて脱出する追跡のままなし(上端面の平均との差で読む)比較の基準
2. 閉じた光電子光電子だけ上端で反射し、光電子の正味の電流を 0 に合わせる太陽風の分だけ変わるなし(同上)表面内の再分配を調べる
3. 流入のスカラー補正上流電位と上端面の平均電位の差で流入を補正する。外向き粒子は脱出する追跡のまま上流電位 phi_infty_v単一の障壁による比較
4. 外部シース外部シースの零電流根から、電流・障壁・電位基準を与える浮遊条件で 0 に拘束上流のプラズマを 0 V外部シースと整合した帯電

方式は 1 つだけ選びます。閉じた光電子と流入のスカラー補正を同じ計算で重ねず、外部シースでは particles.reservoir.inflow_model="infinity_barrier" を使えません。

共通の構成のままです。上端面の開放面に達した粒子は脱出します。 セルの高さは Debye 長より小さいので、上端に達した光電子の多くは、実際には外部のシースで表面へ押し戻されます。 開放は、他の方式と比べる基準としてだけ使います。

光電子の粒子種で、上端面を反射にし、電荷の閉じ方を neutral_return にします。

[[particles.species]]
species_key = "photoelectron"
[particles.species.charging]
closure = "neutral_return"
[particles.species.boundary]
z_high = "reflect" # 戻る位置を面内で一様にするなら "redistributed_reflect"

光電子の正味の電流が 0 になるよう、帰還した光電子の電荷を同じバッチの放出量に合わせます。太陽風による 総電荷の変化は拘束しません。仕組みと停止条件は 光電子の放出と電荷の閉じ方にあります。

外部プラズマの上流電位を決め、流入を上端面の平均電位との差で補正します。外向き粒子は脱出します。

[particles.reservoir]
inflow_model = "infinity_barrier"
phi_infty_v = 0.0
face_potential_grid_n = 5

流入の計算は流入の写像を参照してください。 上端面の電位は BEACH 内の電荷だけで決まり、外部シースの電位降下を含みません。

4. 外部シース(Zhao 定常シース)

Section titled “4. 外部シース(Zhao 定常シース)”

外部シースの零電流根を解き、太陽風と光電子の電流を根の値に固定します。役割を持つ 3 つの粒子種は charging.closure="fixed_current" にし、場は面平均成分を分けて扱う cached_kneq0 にします。

[sheath]
closure = "zero_current"
[sheath.zhao]
upstream_field_floor_v_m = 0.002 # 電子の drift を入れるため(太陽風の運動電場 |u x B| の目安)
[sheath.species]
electron = "solar_wind_electron"
ion = "solar_wind_ion"
photoelectron = "photoelectron"
[sheath.photoelectrons]
solar_elevation_deg = 60.0
ref_density_m3 = 6.4e7
[sheath.coupling]
outflow_refresh_batches = 50 # 外部根を更新しないなら省略
[fields.periodic]
backend = "cached_kneq0"
lower_boundary_model = "e_bottom_zero"

電子とイオンの drift は、どちらも太陽風の法線速度(内向き、負の z)にします。電子の drift を扱うため、 sheath.zhao.upstream_field_floor_v_m を運動電場の目安 2 mV/m にします(電子の drift と上流の帯)。電子とイオンの数密度には、 同じ太陽風密度を書きます。完全な設定は examples/zero_current.toml、 外部根を更新する例は zero_current_refresh.toml、 光電子なし(Type C)の例は zero_current_no_photo.toml です。 モデルの仮定と既知の制約は外部シースとの接続にあります。

方式見る出力判断
すべてcharge_ledger.csv の charge_ledger_residual_C、未解決粒子の電荷残差が丸め誤差程度で、未解決粒子の電荷が結論に効かない
すべてtop_reference_history.csv の potential_mean_V と potential_std_V方式 1〜3 では各要素の電位からこの平均を引いて読む。ばらつきが大きいと、上端面を 1 つの面として扱う近似が弱い
2charge_ledger.csv の neutral_return_weight_scale、neutral_return_unresolved_fraction倍率が 1 に近く、未帰還の割合が小さい(5% を超えると停止)
3summary.txt の reservoir_inflow_map選んだ流入の写像が使われている
4summary.txt の surface_current_model_zhao_branch、surface_current_model_phi0_V想定した branch と壁電位になっている
4fixed_current_history.csv の target_over_tracked各粒子種の倍率が 1 の近くにある
4(外部根の更新)matching_plane_history.csv の phi_H_V と光電子の流出壁電位と流出が落ち着いている

top_reference_history.csv は output.history.potential=true と output.history.stride_batches>0 で書かれます。 列の定義は出力形式にあります。

方式によらず、少なくとも次を変えて、注目する量が変わらないことを確かめます。

  1. 周期の場: 有限画像なら fields.periodic.image_layers を N,N+1,N+2N, N+1, N+2 と増やす。cached_kneq0 なら 遠方補正の精度を確認する。
  2. セルの高さ: 上端面を上下に動かす。
  3. バッチ幅: T,T/2,T/4T, T/2, T/4 と変え、同じ物理時刻で比べる(バッチ幅を決める)。
  4. 粒子の追跡: particles.tracking.dt_s を半分にし、max_steps_per_particle を 2 倍にする。
  5. 標本数: マクロ粒子数、光線数(sampling.rays_per_batch)、乱数 seed を変える。

判断の基準の決め方は計算結果の妥当性確認にあります。

  • セルは平らな表面の一部を表します。方式 1〜3 はセルの外のシースを解かず、方式 4 はそれを平面の定常解で表します。
  • どの方式も、box 外での粒子の軌道、飛行時間、空間電荷を解きません。
  • 方式 1〜3 の電位は、上端面の平均との差としてだけ意味を持ちます。上流のプラズマを基準にした電位が必要なら、方式 4 を使います。